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糖尿病の歴史(3)治療法の確立まで

糖尿病の歴史(1)糖尿病の歴史(2)では、糖尿病が古代から知られていた病気であること、そして歴史上の著名人にも糖尿病を患っていた人たちがいたことをご紹介しました。

 

このページでは、糖尿病の原因と治療法の確立についての歴史をご紹介します。

 

ランゲルハンス島の発見から

 

1869年、ドイツの病理学者、パウル・ランゲルハンスによって、膵臓内の細胞群、つまりランゲルハンス島(膵島(すいとう))が発見されましたが、当時はどのようなものを分泌しているかなど詳しいことは分かりませんでした。

 

糖尿病の原因として、膵臓が関係しているのがわかったのが1889年のことです。イヌから膵臓を全摘出したところ、糖尿病を発症することが発見されました。

 

1901年にはアメリカの病理学者ユージン・オピーにより、ランゲルハンス島の破壊が糖尿病を引き起こすことを発見しましたが、ランゲルハンス島の役割までは分かりませんでした。

 

インスリンの発見が多くの命を救った

 

1921年、カナダ人医学者フレデリック・バンティングチャールズ・ベストが脾臓からインスリンの抽出に成功しました。

 

膵臓を全摘出した犬、マジョーリーに膵臓から抽出したインスリンを注射すると、血糖値が下がることが発見されました。

 

早くもその翌年の1922年にイーライリリー社はインスリンの製剤化に成功し、その商品名は「アイレチン」というものでした。インスリンは不治の病とされていた糖尿病の治療薬として奇跡の薬と呼ばれました。そして何百万人のもの糖尿病患者の命を救うこととなりました。

 

インスリンで治療を受けた最初の患者は当時14歳のレナード・トンプスン少年です。すでに糖尿病末期の症状で32キロしかなく、やせ衰えていましたが、インスリンの注射によって回復し、27歳まで命を長らえました。

 

ノーベル賞受賞

 

バンティングは1923年にインスリンの発見の功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

 

余談ですが、バンティングとともにノーベル賞を受賞したのはマクラウドという博士ですが、彼は大学の教授でバンティングに頼まれて糖尿病を防ぐホルモンの研究のために自分の休暇中に実験室と助手(チャールズ・ベスト)を貸しただけでしたが、のちに大量にインスリンを抽出する方法を開発しました。

 

もっともインスリン自体の発見自体には関わっていないので「部屋を貸しただけでノーベル賞を受賞した」というトリビア的なエピソードが有名になりました。

 

現在のインスリンは人間由来

 

「アイレチン」は牛の膵臓から抽出されました。その後1970年には豚の膵臓から抽出されるようになり、現在では人間と同じヒトインスリンを大腸菌や酵母菌を使って増やす方法が発見され、現在ではインスリンを作る方法として確立されています。

 

糖尿病の経口薬の歴史と効き方については「糖尿病の薬について」ページにてご紹介します。

 

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