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糖尿病の薬について(3) ビグアナイド薬(BG薬)

2. ビグアナイド薬(BG薬)

 

スルフォニル尿素薬(SU薬)に次いで製品化された糖尿病薬です。

 

製品化は1950年代に遡ります。

 

一時期、副作用(乳酸アシドーシス)の危険性により殆ど使用されなくなりましたが、現在ではBG薬の解明が進んで再評価され、糖尿病以外への効果もあり注目されています。

 

●代表的な製品名:ブホルミン塩酸塩(ジベトス)、メトホルミン塩酸塩(グリコラン、メデット、メルビン、メトグルコ)

 

●薬の効果や特徴
肝臓でブドウ糖が新しく生成される(糖新生)を抑え、血液中の糖が筋肉に運ばれるのを助けます。腸管からのブドウ糖吸収も抑えます。
スルフォニル尿素薬(SU薬)のようにインスリンの分泌を促すことなく血糖値を降下させるインスリン抵抗性改善薬(膵外作用)です。

 

●副作用
乳酸アシドーシス(乳酸が血液中に溜まって意識障害に陥る)の危険性あり

 

発見自体は中世まで遡る

 

ビグアナイド薬(BG薬)が発見されたのは中世ヨーロッパで、当時は糖尿病のメカニズムは解明されていませんでしたが、糖尿病の特徴である多尿、口渇を和らげるハーブとして、ガレガソウ(多年草マメ科の植物)が知られていました。

 

その後20世紀に入りガレガソウに含まれる「グアニジン」という成分に血糖値降下作用があることが発見されましたが、「グアニジン」には毒性もあり薬として生成することはできませんでした。

 

1950年台に入り、グアニジン誘導体から「フェンホルミン」、「ブホルミン」、「メトホルミン」経口血糖降下薬が発売されました。

 

しかし1977年に「フェンホルミン」により重篤な副作用(乳酸アシドーシス)が報告されたため、多くの国で発売が中止されました。

 

日本でも「ブホルミン」、「メトホルミン」はSU薬の効果が不十分な場合のみ投与されるようにという条件付きで使用されるようになったため、ビグアナイド薬の使用は激減しました。

 

近年は再評価が進んでいる

 

1980年台から90年台にかけて欧米でBG薬の解明が進んで、再評価が進み、「メトホルミン」が再承認されました。

 

実は「メトホルミン」は乳酸アシドーシスの危険性は極めて少ないことが解明されています。

 

2009年に日本でもSU薬の効果が不十分な場合のみ投与されるようにという条件がなくなり、2010年のメトグルコの発売によって、高容量の投与(1日2250mgまで)が可能となり、経口血糖降下薬の重要な選択肢の一つとなっています。

 

SU薬と異なり、薬による肥満の危険性はありません。

 

副作用について

 

副作用としては乳酸アシドーシスがあります。

 

年間10万人あたり数人という稀な発症頻度ですし、リスクが高い状態(肝臓、腎臓の機能の低下、脱水症状、過度の飲酒、シックデイ、高齢者には慎重投与)に注意すれば安全性は確立されている薬です。

 

乳酸アシドーシスになってしまうと死亡率は50%と言われますので、絶対に避けるようにしなければなりません。

 

他に軽微な副作用としては、食欲不振、下痢などがあります。

 

わたしは、メトホルミンを数年飲んでいる経験から言いますと、薬の使用法にも書かれていますが、必ず「食後に」飲むことが大切です。

 

空腹時に飲むと、胃の調子がもたれたように重くなります。

 

いろいろな働きがあることが分かってきた

 

最近ではメトホルミンには動脈硬化抑制、心血管疾患のリスク軽減、がん予防効果、血液をサラサラにして高脂血症を予防する働きがあることが分かってきました。

 

使用実績が多く、薬価も安いため、経口血糖降下薬の重要な選択肢の一つになっています。

 

他の経口血糖降下薬(SU薬など)と併用してもよく使われます。

 

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